本記事はプロモーションを含みます。
弁理士・特許技術者の転職先は、主に特許事務所(弁理士法人を含む)と、企業の知的財産部門です。年収・働く先・特許技術者との違い・求人の窓口を、国の統計と弁理士法、日本弁理士会・特許庁の資料、求人サービスの公式の記載で確かめました。
この記事の法令・統計・各窓口とサービスの情報は、2026年11月1日に e-Gov 法令検索、厚生労働省、日本弁理士会、特許庁、リーガルジョブボード・MS Agent の公式サイトで確かめた時点のものです。
| 項目 | 答え |
|---|---|
| 年収 | 弁理士だけの国の統計は無い。弁理士を含む「法務従事者」(弁護士・司法書士なども含む)の、企業規模10人以上の企業に雇われる人の目安は約981万円(令和7年。経営者は入らない)。特許技術者の年収の国の統計は無い |
| 働く先 | 弁理士の約67%が特許事務所・弁理士法人、約25%が企業(日本弁理士会、2026年9月末) |
| 特許技術者 | 資格は要らないが、出願の代理などは弁理士の仕事。求人では弁理士の業務の補助として明細書の作成などを担う |
| 求人の窓口 | 士業・知財の求人サイトとエージェント、日本弁理士会の求人情報、特許庁の任期付職員の採用、ハローワークの4つ。併用できる |
リーガルジョブボードの公式サイトへ移動します。登録・相談は無料です。登録のあと、エージェントから電話で希望の条件を聞かれます。求人は東京・大阪が中心です
弁理士の年収:国の統計で見られる範囲
国の統計に「弁理士だけ」の年収はありません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、弁理士は弁護士・司法書士・土地家屋調査士などと同じ「法務従事者」に入ります(役職及び職種解説)。その「法務従事者」の令和7年の年収の目安は約981万円(企業規模10人以上・男女計)でした。弁護士も含む数字なので、弁理士の年収そのものではなく、近い職業のまとまりの参考値として見てください。
| 企業規模 | 年収の目安 | 平均年齢 | 推計の人数 |
|---|---|---|---|
| 10人以上の計 | 約981万円 | 46.5歳 | 約7,230人 |
| 1,000人以上 | 約763万円 | 42.0歳 | 約720人 |
| 100〜999人 | 約747万円 | 45.8歳 | 約790人 |
| 10〜99人 | 約1,041万円 | 47.2歳 | 約5,720人 |
出典:令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)第1表(厚生労働省、e-Stat)の「法務従事者」・男女計。年収の目安は、編集部が「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で計算した(企業規模計は 628.8千円×12+2,265.5千円)。月の給与は令和7年6月分、賞与は令和6年の1年間の額で、残業代などを含み、税・社会保険料を引く前の額です(調査の概要)。推計の人数は表の労働者数(十人単位)から。1,000人以上と100〜999人は推計の人数が少ない区分なので、目安として見てください
この統計は、企業規模10人以上の企業に雇われて働く一般労働者(短時間労働者を除く)の賃金です。特許事務所を経営している弁理士や、常用労働者が10人未満の企業(事務所)で働く人の収入は、この数字に入っていません。また、この統計の法務従事者の約8割(推計の人数で約5,720人)は10〜99人の企業で働く人で、統計は弁護士・弁理士・司法書士などの内訳を分けていません。
特許技術者は弁理士の資格が要らない仕事で、国の統計に特許技術者の年収はありません。この統計からは、弁理士と特許技術者の差や、特許事務所と企業の差も分かりません。気になる求人の給与の決まり方は、応募の前に確かめておきたいことにまとめました。ほかの職業の年収と比べたいときは「年収の高い業界・職種」も参考になります。
弁理士が働く先:特許事務所・弁理士法人が約3分の2、企業が約4分の1
日本弁理士会の会員の分布状況によると、2026年9月30日現在の弁理士は11,882人です。主たる事務所で見た働き方は、特許事務所と弁理士法人(経営と勤務を合わせて)が7,974人(約67%)、企業が3,000人(約25%)でした(日本弁理士会 会員の分布状況)。転職先も、この2つが中心になります。
| 働き方(主たる事務所) | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 特許事務所の経営 | 2,902人 | 24.4% |
| 特許事務所の勤務 | 1,676人 | 14.1% |
| 弁理士法人の経営 | 907人 | 7.6% |
| 弁理士法人の勤務 | 2,489人 | 20.9% |
| 企業 | 3,000人 | 25.2% |
| 弁護士法人・法律事務所の経営・勤務 | 336人 | 2.8% |
| 官公庁・非営利団体の勤務など | 185人 | 1.6% |
| 海外の法律事務所などの所属 | 57人 | 0.5% |
| 連絡先用途の事務所 | 330人 | 2.8% |
出典:日本弁理士会「日本弁理士会会員の分布状況」の「弁理士の就業形態別」の主たる事務所。「弁護士法人・法律事務所の経営・勤務」の行は、元の表の経営と勤務を編集部が足したもの(割合も編集部が計算)。「連絡先用途の事務所」の説明は元の資料に無い
同じ資料では、弁理士の平均年齢は54.57歳、最終学歴が理科系の人が76.6%です。資格を取った経路は、弁理士試験が92.2%、弁護士が4.2%、特許庁の有資格者(審判官・審査官の経験)が3.6%でした。
弁理士と特許技術者の違い:法律で決まっている線
求人では「弁理士」と「特許技術者」を書き分けます(1つの求人で両方を募集することもあります)。違いは資格の有無です。弁理士法は、特許庁への出願などの手続の代理を弁理士の仕事と定め(第4条)、弁理士・弁理士法人でない者が、他人の求めに応じて報酬を得て、その代理や鑑定、政令で定める書類の作成を業とすることを禁じています(第75条)(弁理士法)。
| 項目 | 弁理士 | 特許技術者(求人での呼び名) |
|---|---|---|
| 資格 | 弁理士となる資格を持ち、日本弁理士会の弁理士登録簿に登録した人(第17条) | 法律で決まった資格ではない。リーガルジョブボードは「弁理士資格がない方・弁理士業務未経験の方でも弁理士業務の補助ができる職種」と説明している |
| 法律で決まっている仕事 | 特許・実用新案・意匠・商標の特許庁への手続の代理と、それに関する鑑定など(第4条) | 弁理士法の定めは無い。第75条の範囲(他人の求めに応じ報酬を得て代理などを業とすること)は、弁理士・弁理士法人でない者はできない。日本弁理士会は求人の掲載の注意点で、資格の無い人(弁理士試験の合格者を含む)の募集は「明細書作成業務」等の弁理士でなければ行えない業務の「補助業務」を行わせる旨を書くよう求めている(日本弁理士会 求人情報) |
| 求人で見かける仕事 | 明細書作成・PCT出願のほか、ライセンス契約・訴訟・知財戦略コンサルなど(リーガルジョブボードの弁理士の求人の業務内容の区分) | 弁理士の業務の補助としての明細書作成、中間処理など(リーガルジョブボードの特許技術者の求人) |
出典:弁理士法第4条・第7条・第17条・第75条、弁理士法施行令第7条・第8条、リーガルジョブボードの求人の一覧
第75条の「政令で定める書類」は、特許などの出願の願書・明細書・特許請求の範囲・要約書や、審判の請求書・意見書などです(弁理士法施行令第8条)。一方で、特許料の納付の代理などは、弁理士でなくてもできる手続として政令で外されています(同第7条)。弁理士は、このほか通常実施権の許諾などの契約の締結の代理・媒介や、その相談もできます(弁理士法第4条第3項)。
弁理士となる資格を持つのは、実務修習を終えた人のうち、弁理士試験に合格した人、弁護士となる資格を持つ人、特許庁で審判官・審査官として審判・審査の事務に通算7年以上従事した人です(第7条)。弁理士として仕事をするには、日本弁理士会の弁理士登録簿への登録が要ります(第17条)。
弁理士・特許技術者の求人の探し方
求人の窓口は、大きく4つあります。どれか1つに絞る必要はなく、条件に合わせて併用できます。「向く人」は、各窓口の公式の記載から考えた編集部の見方です。
| 窓口 | 公式の記載 | 向く人 |
|---|---|---|
| 士業・知財の求人サイトとエージェント(例:リーガルジョブボード、MS Agent) | リーガルジョブボードは、弁理士・特許技術者・知財部などの求人を扱い、公開求人への直接応募と、エージェントによる非公開の求人の紹介の2つの進め方がある(仕組み)。管理部門と士業の求人を扱う MS Agent(MS-Japan)にも「法律・特許事務所」の求人の区分があり、非公開求人の紹介も案内している(MS Agent 法律・特許事務所の求人) | 特許事務所と企業の知財部の求人を並べて比べたい人。給与や休日の交渉、日程の調整を任せたい人。サービスの中身はリーガルジョブボードの節と「MS-Japanの評判」 |
| 日本弁理士会の求人情報 | 弁理士と弁理士志望者を募集する事務所・企業の求人を載せている(弁護士・特許技術者・事務員などの募集は載せられない決まり)。求人の詳細は各事務所・企業に直接問い合わせる形(求人情報) | 弁理士、または弁理士を目指していて、事務所・会社に直接連絡を取って進めたい人 |
| 特許庁の任期付職員の採用 | 特許庁の採用情報に、任期付特許審査官(特許審査官の業務経験がある人/ない人)と、任期付商標審査官補・任期付商標審査官の案内がある(任期付職員(任期付特許審査官)・採用情報 その他)。募集の時期と条件は各ページで確かめる | 審査の側の仕事を経験したい人 |
| ハローワーク | ハローワークインターネットサービスの求人情報検索で、職種や条件を選んだり、仕事の内容などに書かれた語(フリーワード)を入れたりして求人を探せる(求人情報検索) | 住んでいる地域の事務所・会社の求人を、ほかの職種と一緒に探したい人 |
どの窓口の求人も、内容を確かめるのは自分です。日本弁理士会は掲載の内容に責任を負わないとし、リーガルジョブボードも利用規約で、掲載された求人情報の内容の正確性・有用性を保証しないとしています(日本弁理士会 求人情報・リーガルジョブボード 利用規約第9条)。
リーガルジョブボードの使い方と、確かめておきたい点
リーガルジョブボードは、株式会社WILLCO(東京都港区)が運営する、士業・法律系の職種の求人サイトです。取り扱う職種には、弁理士・特許技術者・知財部・特許翻訳・特許調査が含まれます(運営会社・よくあるご質問)。求職者の利用料金は「一切かかりません」と案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社WILLCO(東京都港区赤坂、2012年9月設立) |
| 職業紹介の許可 | 有料職業紹介事業 13-ユ-305692(平成24年12月1日)。取り扱う職種に法務の職業を含む |
| 紹介の実績 | 情報登録年度が令和6年度の欄で就職者758人。令和5年度の欄は就職者726人、無期雇用で就職後6か月以内の離職者62人(医療の職業なども含む、この許可番号の事業所の数) |
| 紹介の手数料 | 届け出た手数料表では、手数料を負担するのは求人者(採用する側) |
| 求人の地域 | 確かめた時点で、弁理士の求人321件のうち東京都214件・大阪府76件・愛知県26件。特許技術者の求人235件のうち東京都155件・大阪府50件(都道府県ごとの件数の合計は、全体の件数より多い) |
出典:運営会社・弁理士の求人・特許技術者の求人、厚生労働省の人材サービス総合サイト(許可番号で検索。令和8年10月1日現在の情報と、届け出た手数料表)
弁理士の求人は、北海道が0件、九州は福岡県の3件だけでした。東京・大阪・愛知以外で探す人は、件数が少ないことを前提に、日本弁理士会の求人情報やハローワークも合わせて見るのがよいと編集部は考えます。
進め方は2つあります(LEGAL JOB BOARDの仕組み)。
| 進め方 | 公式の記載 | 向く人(編集部の見方) |
|---|---|---|
| 直接応募求人 | 事務所名・企業名を出している公開求人に、自分で応募し、採用の担当者とサイト上でメッセージをやり取りする | 行きたい事務所・会社が決まっていて、自分のペースで進めたい人 |
| エージェント求人 | 事務所名や所在地を出していない求人を、エージェントが紹介する。給与や休日の交渉、面接の日程の調整も代わりに行う | どの事務所が合うか分からない人、在職中で日程の調整に手が回らない人 |
登録から紹介までの流れ
- 無料登録:サイトから登録します。登録の前でも、チャットや公式LINEで相談できると案内されています
- エージェントからの電話:登録のあと、最短で当日にエージェントから電話があり、希望の条件を聞き取ります。紹介を早く受けるには、この電話に出ることが大事だと書かれています
- 求人の紹介・書類と面接の準備:条件に合う求人の紹介のほか、履歴書・職務経歴書の添削や面接の対策を受けられます
- 応募・面接・内定:内定が出ても断ることができます
申し込む前に知っておきたいこと
- 登録した名前や誕生日などは、採用する側からは見えないと案内されています(よくあるご質問)。一方で利用規約では、求人に応募すると、氏名・住所・電話番号・メールアドレス・顔写真・学歴・職歴などが応募先に公開され、スカウトの機能を使うことに同意すると、年齢・性別・資格・資格を取った年が公開されます(利用規約第4条)。今の勤め先に応募しないよう、応募先は自分で確かめます
- 求人の「気になる」を押すと、押したことがその求人の採用担当者に通知されると案内されています
- エージェントに相談しながら、自分で求人を探して応募してもかまいません。ただし、エージェントから紹介を受けた求人に、自分で直接応募することは控えるよう書かれています
- 有料職業紹介事業者は、法律で、原則として求職者から手数料を取れません(職業安定法第32条の3第2項)
リーガルジョブボードの公式サイトへ移動します。登録・相談は無料です。エージェント求人は事務所名を伏せた求人で、登録のあと問い合わせると事務所名を教えてもらえます
応募の前に確かめておきたいこと
事務所や会社によって、担当する仕事と給与の決まり方が違います。面接やエージェントとの面談で聞いておきたいことを、編集部がまとめました。どの窓口で見つけた求人にも使えます。
- 担当する権利(特許・実用新案・意匠・商標)と、技術の分野(機械・電気・化学・バイオ・ソフトウェアなど)
- 明細書の作成、中間処理、外国への出願、調査のうち、どの仕事が中心か。英語を使う量
- 給与の決まり方(固定か、担当した件数や成果で変わるか)と、残業代の扱い
- 資格を取る予定なら、受験の勉強の時間や費用の支援があるか
- 弁理士として登録するときの費用を、事務所・会社が持つか
- 企業の知財部なら、出願の実務を自社でするか、特許事務所に頼むか
- 年収が手取りでいくらになるかは「年収別の手取り早見表」で見られます
よくある質問
- 特許の実務が未経験でも応募できる求人はありますか?
-
リーガルジョブボードの特許技術者の求人の一覧には、「未経験OK」「実務未経験歓迎」と書かれた求人がありました(確かめた時点の一覧で見た範囲)。どの技術の分野の経験や学歴を求めるかは求人ごとに違うので、応募の前に求人票で確かめます。
- 日本弁理士会の求人情報は、いつまで載っていますか?
-
日本弁理士会は、求人の掲載期間を1か月とし、期間が終わると自動で掲載を終えると案内しています。気になる求人は、載っているうちに事務所・会社へ問い合わせます。
- 企業の知財部の求人は、どう探せますか?
-
リーガルジョブボードには知財部の求人の一覧があり、確かめた時点で149件でした。一覧では、特許事務所・弁理士法人・一般企業の施設形態で絞り込めます。ハローワークでは、就業場所を指定して求人情報を検索できます。
弁理士・特許技術者の求人を見ながら、条件の交渉や日程の調整を任せたいときは、知財の求人の区分がある求人サイトのエージェントに相談できます。
リーガルジョブボードの公式サイトへ移動します。登録は無料です。求人は東京・大阪が中心です
この記事について
この記事は、弁理士・特許技術者の転職で知りたい年収と求人の探し方を、e-Gov 法令検索の弁理士法・弁理士法施行令・職業安定法、厚生労働省の賃金構造基本統計調査、日本弁理士会の会員の分布状況と求人情報、特許庁の採用情報、リーガルジョブボードと MS Agent の公式サイトで確かめて書いたものです。取材や転職サービスの利用はしていません。リーガルジョブボードへのリンクは、当サイトが紹介料を受け取る広告です(PR)。ほかの探し方も同じ表で並べています。調べて書いたのは、会社員年収向上委員会の DigitalGOAT編集部(運営:Digital GOAT株式会社)です。記事の作り方は記事制作ポリシー、運営者は運営者情報をご覧ください。
参考資料
- e-Gov 法令検索:弁理士法/弁理士法施行令/職業安定法
- 厚生労働省:令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)第1表(e-Stat)/役職及び職種解説(e-Stat)/調査の概要(e-Stat)/ハローワークインターネットサービス 求人情報検索
- 日本弁理士会:日本弁理士会会員の分布状況/求人情報
- 特許庁:任期付職員(任期付特許審査官)/採用情報 その他
- リーガルジョブボード(株式会社WILLCO):弁理士の求人/特許技術者の求人/LEGAL JOB BOARDの仕組み/よくあるご質問/利用規約/運営会社
- MS-Japan:MS Agent 法律・特許事務所の求人・転職情報

